中国の「新疆ウイグル自治区」に居住するウイグル人に対し、中国政府はこの民族を絶滅させようと、拷問によるジェノサイド(民族大量虐殺)を行っている。強制収容所を設置し、ウイグル人(イスラム教徒)を思想改造している。殴打、電気ショック、辛い姿勢を取らせ続ける、睡眠妨害、低温環境に放置、独房に入れるなど。強制不妊手術や中絶、強制移住の証言も多い。
中国によるウイグル人ジェノサイド(民族大量虐殺)に関する記事切り抜き集↓
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ウイグル人ジェノサイド(大量虐殺、国際法上の犯罪)とは
中国の北西部に「新疆ウイグル自治区」という行政区分がある。「新疆」とは「新しい土地」という意味。18世紀に清朝の支配下に入ったので、「新しい土地」と名付けられた。
中国は建前としては多民族国家であり、漢民族を含め56の民族からなる。9割以上が漢民族だが、漢民族以外で人口の多い民族には自治を認めることになっていて、ウイグル民族には自治を認めている(新疆ウイグル自治区、緑色)。そのほか、チベット自治区(緑色の下)、内モンゴル自治区(赤色)、広西(クワンシー)チワン族自治区(青色)、寧夏(ニンシャー)回族自治区(赤色の下)の5つの自治区がある(図版参照)。
「新疆ウイグル自治区」の人口は約2500万人。ウイグル族が45%、漢族が41%、その他カザフ人、キルギス人、チベット族、回族、タジク人、モンゴル族、ロシア人、シベ族など多くの民族が居住している。
綿花の栽培は中国で1位。この地で生産される綿花は新疆綿と呼ばれ、世界三大コットンの1つ。油田も自治区内に38あり、中国の約3割の油田採掘量を誇ってる。
ウイグル族は、4世紀から13世紀にかけて中央ユーラシアで活動したテュルク系遊牧民族、およびその後裔と称する民族を指す。
また、人口の半数を占めるウイグル族やカザフ族はイスラム教の信徒である。中国共産党による一党独裁体制の中国にしてみれば、イスラム教徒は神(アッラー)の言うことを聞く。アッラーは中国共産党より大事な存在である。これは中国共産党にとって、共産党への忠誠心がないということになる。
よってこの民族を絶滅させるために強制的に不妊手術をしたり中絶させたりしている。いうまでもなくこれは人権蹂躙であり許されるべきではない。のみならず宗教や文化に基づく伝統の破壊を目的に、宗教指導者を迫害しているとの批判も出ている。
この事実に対して世界的な注目が集まっているが、日本のマスコミは中国への忖度があってか産経新聞以外ではほとんど報じられていない。
産経新聞の報道の見出し
以下は、日本で報道された記事の見出しの例である。
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拷問と洗脳 響く悲鳴
ウイグル人女性 中国の弾圧証言
収容所「説明なく注射や投薬」
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女性の死 ウイグル社会に衝撃
収容所収監の父を探しに帰国
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ウイグル再教育 中国「洗脳」の実態
「壁は白でも、黒と言え」
たたき込まれた習主席への崇拝
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強制不妊1日80人手術した
亡命のウイグル人元婦人科医証言
「もう子供作らない」誓約書
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中国、ランクに分け洗脳
「ウイグル族断つ」不妊手術強要
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強制収容所入所者の手記
では、強制収容所へ入れられると具体的にはどのような扱いを受けるのか。ジヤウドンさんという一人の女性の手記がここにある。
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両腕と両足を縛られたまま、不自然な姿勢で、長時間の取り調べを受ける。
殴る蹴るの暴行を加えられる。
体に電流を流される。
食事を2日以上与えられない。
拘束されたおよそ10か月の間、こうした拷問を受け続けたという。中でも、電流を流される拷問では、何度も意識を失った。
「一思いに殺してほしい、私が何をしたの」
あまりの痛みにジヤウドゥンさんは、こう訴えながら警察官につかみかかったこともあった。しかし、別の警察官が駆けつけ、頭や腹を殴られ、動くことができなくなりました。
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このウイグル自治区におけるジェノサイドを、具体的に如実に漫画化されたのが『命がけの証言』だ【写真】。作者の漫画家・清水ともみ氏には頭が下がる。力作である。
ジェノサイドの歴史
習近平国家主席が弾圧を強めたのは、2014年4月30日に新疆ウイグル自治区で起きた「爆破テロ事件」がきっかけと言われている。習近平が国家主席となり、初めて新疆ウイグル自治区を視察した際に、ウルムチ南駅が爆破された。漢民族と衝突して多くの死傷者が出た。ウルムチはウィグル自治区の首府である。
それ以来、中国当局はテロ対策として締め付けを強化。その過程で、イスラム教徒を敵視するかたちで次々と強制収容所へ入れていった。アメリカ国務省の推計では新疆ウイグル自治区で100万人を超えるイスラム教徒が強制収容所に送られているといわれている。
収容所看守の強姦が日常茶飯事
以下は、私のブログからの転記である。
なぜ日本は中国に制裁をしない(2021.3.25.)
中国共産党の、新疆ウルグイ自治区におけるウルグイ人への極めて深刻な人権侵害、ジェノサイド(民族大量虐殺)に対して、米、英、加およびEU(独、仏、伊など)は連携して中国に対して制裁措置をとった。
先進7か国(G7)で no action は日本だけだ。モリカケやサクラ問題、森叩きにはヒステリックに熱心だった野党も、コト人権や中国関連問題となると何か具合が悪いのか。
この問題は早くから懸念していた。最近は渦中のウルグイ人の真実吐露をもとにした清水ともみ作の力作漫画「命がけの証言」を読み、こんなことがあっていいのか、というような、人と人とも思わない「洗脳教育」、女性が裸で羞恥を晒され、収容所看視による常習的強姦等々にただただ驚愕するばかりだった。
告白しているウルグイ人全員がが、この事実をできるだけ広めて欲しいと切実に訴えている。
皆さんもぜひ、この漫画をお読みいただきたい。
ウイグル再び (2021.3.26.)
3月7日、東京・渋谷区の国連大学前に日本在住のウイグル、モンゴル、香港などの女性約40人が、今や世界中の最大関心事といえる香港やウイグルにおける、中国による人権侵害に抗議するために各々民族衣装をまとい、翌8日の「国際女性デー」に合わせて、人権弾圧の即時停止を訴えた。
腑に落ちないことが2つある。
ひとつは、これを報じたのは産経新聞だけということを、某作家の同紙への記事で知った。
集会主催者はこれを事前にメディアに知らせ報道拡散を促進するのは常道である。産経新聞以外が取材に行かなかったのか、記事を書いたがボツにされたかは不明だ。
二つ目は、森元首相の女性蔑視発言騒動の折、女性差別廃止、女性の人権擁護とかで野党の女性国会議員が白服で集まったことがあった。
それには異を唱えないが、彼女らは、ウイグルでは収容所でウイグル人殲滅のために避妊手術が強行(*)されたり、女性が裸で羞恥を受けたり、収容所看守による強姦が日常茶飯事になっている女性蔑視、女性人権蹂躙には、何かactionを起こしたのだろうか。
(*)この5年間で女性に対する不妊手術は19倍、男性のそれは12倍になっている。
彼女らがコトの重大さを認識する尺度を持っているとは思えない。「井の中の蛙」」とか「・・・の智慧は鼻先3寸」といわれてもしかたないところだ。
ウイグル地区の収容所には、思想改造や、臓器摘出、女性の不妊手術、男性の生殖機能低下薬の投与などで100万人が収容されているという。
100万人と一口に言うけど、これは私が住んでいる相模原市の人口79万人よりも多い。大変なことである。
これに対して日本政府は、中国を制裁するための法的根拠がないのでactionをとれない、としている。日本以外のG7の国々がこぞって制裁措置をとっているのに!である。
これはこれで各国から「おカネ持ちの勇気のないオボッタマ」といわれても仕方ない。立法が必要ならさっさとせよ、といいたい。