マグロ好きは読んでくんな。マグロの美味い食い方。マグロのサクの使い方。これであんたもマグロの通だぜ。野次馬的都々逸もどき63,70,71.

都々逸表紙 Japane food

筆者は大の寿司好きで、3食毎日寿司でもいいくらいだ。これは極端だが、日本人はマグロが好きで、寿司などの生食用の高級マグロであるクロマグロやミナミマグロなどの消費量は世界の約4分の1を占める。

出典:漁業用資材メーカー「丸新商店」様

また、ツナ缶やその他の加工品に使う全マグロの消費量は世界の約15%を占めるという。

寿司の食し方にはいろいろある。最近では、回転寿司が手ごろな価格なので人気がある。チェーン店が大量仕入れができるので、マグロでも高級品が出回っていることもある。握りのマグロがやや薄いのが難点だが。

難点と言えば最近、回転寿司店やスーパーマーケットで販売している寿司には山葵(わさび)がついていない。子どもにも食べて欲しく売り上げを伸ばしたいのはわかるが、サビのない寿司は寿司ではない。子どもはサビが大丈夫になるまで寿司を食うな、と言いたい。日本の大事な食文化が崩壊する。

寿司店へ行ってカウンターで、板さんと言葉を交わしながらあれこれ摘まむのが好きだ。板さんも自分が握った寿司を客がどのように喜んでくれるかを見るのが嬉しいようだ。筆者はどの板さんが握ったかわからないような寿司は喰いたくはない。寿司は、ネタケースを挟んで板さんと客が会話をしながら味わうに限る。

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1. 自分で寿司を握る

さて、寿司店で自分と相性の良い板さんに握った寿司を食いながら一献傾けるのも良いが、そうそうしばしば寿司店に行けるわけではない。

筆者は、スーパーマーケットでマグロのサクを吟味して買い、自分で酢飯のシャリをつくり、サクも自分で切って、握ったりするのが好きで、たびたびそうして楽しんでいる。だから、新聞差し込みのスーパーマーケットのチラシには必ず目を通す。

近くに3つのスーパーマーケットがある。マグロのサク、中でも本マグロやクロマグロ、メバチマグロまでくらいの高級マグロのサクの広告が出ていれば、必ず見に行く。一番安いビンチョウのサクでも、見栄え(色や油の入り)が良ければ買う。そのままでは味がイマイチなので、漬け(づけ)などに加工すれば美味しい。

しかし、近頃は、サクを自分で切り分けられる主婦も少ないようで、スーパーマーケットで販売されているマグロはほとんどが、すでに盛り付けられたものだ。そういう時代なのだ。盛られて時間がたって酸化して、味が劣化していても、そんなことは気が付かないのだ。

【以下は自分のfacebook(新津Masato)に掲載した『野次馬的都々逸もどき』の内、寿司に関する記事3本をまとめました】

◆野次馬的都々逸もどき 63 

トロもむかしは ゲテモノだった 1貫頼めば 1個だけ
♬ハァ、こりゃおかしい、こりゃおかしい。

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2. 寿司1貫(カン)2個の由来自説

「握り」寿司を数えるときの数助詞は貫である。
しかし、1貫というときに、寿司1個をいうのか、2個のことなのか、現在では定説はない。

筆者は60年以上も寿司を愛し、1日3食毎日寿司でもいい口だ。何人かの馴染の板さんとはカウンター席で、寿司談義を重ねてきたものである。もちろん、当方の知識は読書から(インターネットは無かったから)、向こうは修行体験からだ。

筆者は刺身包丁や出刃包丁を自宅で使いこなしている。
マグロのサクを買ってきては、自分で切って刺身にしたり【写真】、酢飯を作り、自分で握ったりしている【写真】。

サクの形状により、均一な切り身は取り出しにくい(笑)。

刺身もサクの形状により、均一にはいかない。しかし、スーパーマーケットの盛り付けより美味い。

その筆者には、1貫は2個というのが自然な考え方のように思える。
寿司は江戸時代から、日本人の庶民食であった。しかし、今のように鮮魚中心ではなく、担ぎ屋台で冷蔵の仕組みがないので調理済みの玉子や干ぴょう、煮タコ、酢〆め魚や焼き魚などを酢飯とともに供していたようだ。
鮪のトロなんちゅうのはゲテモノで誰も食べなかった。戦後に普及したものだ。

寿司の1個の大きさも今の2、3倍はあったそうだ。その様がおカネ1貫の重さ(約4kg)にも見えたので(大袈裟)、その1個を1貫と言ったといわれる。

日本の大部分の数助詞は中国由来のものだが、貫は日本で発生した。

しかし、その大きさでは食べにくいので、華屋与兵衛(というレストラン・チェーンもありますね)という職人が二つに切って客に供した。それで、握り寿司1貫とは、2個となったと伝えられる。いろいろな説に接したが、これが一番まっとうに思える。私がむかし親しかった板さんも、1貫は2個だと親方から教えられたと言っていた。

これに関しウェブ上で多説が流れている。しかし、それらの記事の記者は、文体の印象からして、どうも、平成か令和の生まれのような若い人のようだ。筆者は長年、雑誌記事や報道資料を書いてきたので(A4で4,000枚以上、翻訳でも4,000枚以上)それがわかる。

しかも、彼らは一つの元ネタをいじりまわしている気配が濃厚だ。だから貫という数助詞は最近流行りだしたなどという迷説まで幅を利かせている。

それにしても昨今、寿司屋の板さんと話しても、こんなことを勉強している人はいない。
ましてや、回転すし店の、客の前に姿を現さない板前(とは言えまい。機械を使っての握り係くらい)やネクタイを締めて握り場に立っている板前もどきはどうも胡散臭い。
と筆者がいくら正論?を語っても、「1貫は1個」という概念は蔓延しつつある。

※ 1貫、2貫には関係ないが、女性が握りずしをそのまま一口で食うべく、口の中へ押し込むのは、どうもいただけない図である。私は、板さんに頼んで一つの握りを半分に包丁を入れてもらう。女性もその方が食べやすいし、第一、喰い方が上品になる(笑)。

野次馬的都々逸もどき 70 

マグロ食うなら サクで買いなよ 切り身なんざぁ もう食えぬ
♬ハァ、まったくだぁ、まったくだぁ、切り身の刺身は素人騙し、マッコト美味いは自分で切るサクよ。

過日、スーパーで買った本マグロのサクを自分で処理して切って、握りずしを作った。これをLINEのグループに投稿したら、思わぬ反応があった。それならばということで、ここに転載します。


自慢話で恐縮ですが、昨夜は、スーパーに本マグロの赤身のサクの良いのがあったので、これで握り寿司を作りました。満足🈵️😃✨でした。

3. 握り寿司の作り方


1)米はやや固めに炊く。
2)日高昆布をいれて炊く。
3)サクは流水で、ジャブジャブに洗い、キッチンペーパーで水気を取る。
4)そのサクに塩をまんべんなく振り、15分置く。サクからは、汗のように水分が出てくる【写真】。

塩を振ってやや置くと、汗が出るように水分が出る。これで生臭さや雑味臭などが取れる。


5)これまた流水で、ジャブジャブ洗う。キッチンペーパーで水分を取る。
6)よく研いだ刺身包丁で、好みの厚さに切り分ける。
7)切り分けたものにキッチンペーパーをかけ、ラップをして冷蔵庫に入れる。余分な水分を取るため。
8)炊き上がったご飯に、市販の「寿司酢」をいれ、扇風機などで蒸気などを飛ばしながら、飯粒を潰さないようにかき混ぜる。
9)冷蔵庫から切り身を取り出し、適量のシャリと一緒に握る。
10)両手には手酢をつけないと、両手がシャリだらけになる(笑)。手酢は、酢と水を半々ずつ。
写真のガリは、新生姜を家内が甘酢漬けにしたもの。ミョウガは庭から採ってきたものを家内がうす塩浸けにしたもの。
🍴🈵️😆まんぞく。
お試しください。

これは割と均一の大きさに仕上がった。ガリは自宅の庭で採れた生姜の甘酢漬け(家内作)と同じく自宅庭で採れたミョウガの薄塩漬け(同)。

野次馬的都々逸もどき 71

マグロはサクよ ビンチョウさえも 美味さ抜群 やってみな
♬ハァ、よっしゃよっしゃ、これはいけるぜ、酒も美味い。

日本は世界一のマグロ消費国で、世界の15%を食べているそうだ(最高級の本マグロから一番安いビンチョウまで入れて)。

私もマグロの刺身とか寿司は大好きである。
中トロもいいが、私はもっぱら赤身が好物である。
中トロや大トロの人気は戦後のもので、戦前ではゲテモノとして扱われていた。

マグロには何種類かあって、本マグロが上質な脂身があり最高ランク(高級マグロ)になる。以下、値段の高い順に、本マグロを仮に100とすると、南(インド)マグロ(80)、メバチマグロ(50)、キハダマグロ(30)、ビンナガ(ビンチョウ)(20)と言った具合だ。

マグロと言ってもまさにピンキリ。ビンチョウは本マグロの20%の値段だ。

出典:極洋水産。

かつては、ビンチョウのサクなんぞには手を出さなかったが、最近では「漬け」にしてはどうかと試したら、これが結構いけるので、ビンチョウのサク(ほとんど冷凍もの)があったら買うことにしている。
なんたって、値段が本マグロの5分1というのが嬉しい。

4. ビンチョウの漬け レシピ

これは、そのまま食べても美味しいが、鉄火丼のように酢飯の上にのせても実に美味しい。

写真は通販用の冷凍ビンチョウなので大きくて立派だが、スーパーではもっと小さく、手ごろな値段で売っている。出典:八面六臂。

本マグロとビンチョウの比較図

出典:釣太郎ブログ。

1)冷凍のサクは、冷蔵庫で自然解凍する。
2)包丁で切れるようになったら、半解凍状態でもいいから切って、冷蔵庫の外で解凍を速める。サクは冷凍状態なので、ジャブジャブ洗う必要はない。
3)切り方は、刺身のようでもよし、1センチのサイコロ状でもよし、その2種類に切っておいてもいい。お好きなように。

4-1. ビンチョウの漬け、たれの作り方

4)サクの分量にもよるが、料理酒とみりんを小さじ1杯ずつを容器にいれ、電子レンジで500Wで1分くらい温める。アルコールを飛ばすのだ。
5)4)を電子レンジから取り出し、冷たくなるまで放置して冷やす。
6)冷えた5)に常温の醤油小さじ2杯を加えてかき回す。
7)好みで、6)にワサビ、または柚子胡椒などを適当量加えると美味しい。食べるときにつけてもいい。
マグロを漬ける時間は好みによるが、15分以上がいいだろう。
8)ご飯は、酢飯でも、普通のご飯でもお好みで。
これ作り方が簡単で、値段も安いのでお勧めです。

※スーパーマーケットでマグロの手ごろなサクを見つけたら、ぜひお試しください。

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