和食に興味をいだく訪日外国人観光客はたくさんいます。
それは、和食が2013年にユネスコの世界文化遺産に登録されたことも原因となっています。
和食について外国人向けに書かれた英文書籍はたくさんあります。しかし、それらは少し詳しすぎるきらいがあるので、私は外国人が和食とは何なのかということをわかりやすく理解できるように簡潔に、まず英語で書きました。それが『WASHOKU』です。
すると若いガイド仲間から、
「ちゃんと理解したいので日本語にしていただけませんか?」
というリクエストを受けました。
それではということで、もともと英語で書いた『WASHOKU』の、舌足らずだった部分などを補筆し、日本語で出版したが『和食』です。ガイドではない一般の方でも、日本語の方が読みやすいという方にも和食を理解していだだきたいのがその目的のひとつです。
*********************
このブログ『Make money! 電子書籍天国』は
第1章 著書紹介
第2章 出版方法
第3章 購入方法
第4章 スマホで読める
から構成されています。各章、別建ての構成となっています。
末尾にシリーズすべてのブログへのリンクが貼ってあります。
********************
本書の買い方、読み方
この新津正人著電子書籍『WASHOKU』およびその日本語版『和食』はあなたのスマホへ読書アプリを無料でダウンロードしてお読みいただけます。
また、Amazon.com の書籍通販ページで、「Masato Niitsu」で検索すると、『WASHOKU』が出ます。同様に「新津正人」と漢字で検索すると『和食』がヒットします。
ここをクリック。そこで本書を購入できます。
本書出版の意図
新津正人著『和食』出版の意図について、「はじめに」の中で次のように書いています。
********************
私はこの本を、最初に、和食を知りたい、あるいはその味わいや雰囲気を楽しんでみたいという外国人のために英語で書き起こしました。
私は2013年から訪日外国人の観光ガイドをしており、2017年には国家資格の「全国通訳案内士」を取得、少人数の富裕層(夫婦や家族)やグループ客に日本の良さを案内しております。いまは(2021年6月)コロナ禍で仕事ゼロですが(笑)。
訪日観光客の方々は、ユネスコの世界文化遺産に登録された和食について大変興味をお持ちで、中には「うま味」とか「出汁(だし)」について質問をしてくる方もいらっしゃいます。和食がユネスコの世界文化遺産に登録された2013年は、奇しくも私が訪日外国人の観光ガイドを始めた年でもあります。
和食について外国人向けに書かれた英文書籍はたくさんあります。しかし、それらは少し詳しすぎるきらいがあるので、『WASHOKU』では外国人が和食とは何なのかということをわかりやすく理解できるように簡潔に書きました。
もともと英語で書いた本書の、舌足らずだった部分を補筆し、日本語で出版したのが『和食』です。日本語の方が読みやすいという方にも、和食を理解していだだきたいのがその目的のひとつです。
また、食の洋風化の中で育った若い日本の方々が、和食に込められた先人の智慧などにはもはや思いも馳せることがなくなりつつあることを憂慮し、「昭和の青年」としてはこれを日本語で後世に書き残すこともひとつの社会的義務と思ったのがもう一つの理由です。
食は、老若男女、人種や民族を超えて訪日外国人の皆さんには興味のあるところです。ガイドに当たる方におかれましても、ぜひ、日本の食、WASHOKU を正しく彼らにご案内していただきたいと思います。
なお英文書籍『WASHOKU』の中には、日本人にはわかり切ったことを述べている部分がありますが、それは外国人読者のためであることを、あらかじめご了承ください。
英語版『WASHOKU』の英文チェックにあたりましては、Lars Huiskens氏の助力を得ました。彼は新婚の奥さまとともに数年前、グループで訪日し、私が福岡から東京まで8都市を19日間にわたってガイドした方です。
彼は日本語がある程度でき、観光バスの中で来日してから買った漫画をオランダ語に翻訳して楽しんでいました。ここに彼に謝意を申し上げたいと思います。
和食とは
ご承知のように、和食は2013年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
あなたは「和食」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
健康食ですか? バランスの取れたダイエット食ですか? あるいは、和食器に彩り鮮やかに立体的に盛り付けられた料理の美しさですか?
そうですね、それらは和食にいくつもある属性のひとつといえます。それらの他に、美味しさ、魚や野菜、季節の旬の食材なども和食の特長です。こうした食材の豊富さは、日本にははっきりとして四季があることや、国土の四方が海に囲まれていることなども、豊かな食材を得られる環境となっています。
FOA(国連食糧農業機関)が最近の国別カロリー摂取量を公開しています。それによると、第1位の国の成人ひとり当たりのカロリー摂取量は3,785カロリーです。日本は104位のランキングで2,695カロリー(1位の国の成人の約72%)です。
世界の人びとは、こうした低カロリー摂取が日本人の長寿のひとつの要因だと理解しています。
私は和食を以下のように理解しています。
和食は単に、日本的な食材を使った日本的な料理法や料理ではなく、料理する人たちの、それを食べる人たちへのおもてなしの心、そして、食べる人たちの、料理する人たちへの感謝の気持ち、これら全体が和食というものを構成していると思います。
和食の由来
私たち日本人は、和食という言葉を洋食という言葉に対比して使っています。「和」は日本的という意味であり、「洋」は西洋式を意味します。「食」は料理という意味です。
私たちは明治維新(1868年)まで「和食」という言葉は使っていませんでした。明治維新以前は、基本的に牛肉、豚肉、そのほかの獣肉は食べていませんでした。それは仏教の教えで四つ足の動物は食べてはいけなかったからです。野鳥などは食べていました。
仏教は6世紀に伝来した宗教で、日本のもともとの宗教は神道です。仏教伝来以来、二つの宗教は共存しており、何の問題も起こしていません。ヨーロッパでは対立する二つの宗教が戦争を繰り返してきたのとは大きな違いです。
さて、明治維新以降、日本人は西洋文化に追いつくために、四つ足の肉を食べるようになったのです。その時に初めて、洋食に対して和食という言葉を使い始めたのです。
前述のように、日本にははっきりとした四季があり、国土の四方を海に囲まれています。また、十分な降雨量と肥沃な国土、豊かな漁場のおかげで、四季折々の魚類や野菜を手にすることができています。
古来より日本人の主食は炊いたご飯で、副食としては葉もの野菜、ダイコンやゴボウなどの根菜類、魚や海草などの海産物、豆類、豆腐、もやし、そしてこれらを使った発酵食品を食べてきています。
このほか、小麦粉から作ったうどんや蕎麦粉から作った蕎麦も食べます。
蕎麦に含まれているルチンは、毛細血管の血流を促進し、生活習慣病のひとつ、脳梗塞の原因である高血圧やコレステロールの低減に効果があります。
日本人はこのように日常的に和食を食べていますし、特別な日には和食のコース料理も食べます。
和食の4つの源流
基本的な和食の源流は、日本の中世の貴族や僧侶、および武士の公式な食事の中に見出せます。
ここでは伝統的な、和食の4つの源流について説明します。
和食源流のひとつは、「精進料理」に見られます。これは仏教の僧侶向けの菜食を中心とした献立といえます。
次は「本膳料理」です。これは非常に儀式化した食事で、厳格な食事マナーが必要な食事です。
非常にていねいに作られた饗宴用の食事で、日本人でも普段お目にかかることはまずありません。しかし、季節ごとの伝統的な儀式や催事の時には見ることができます。
三つめは「懐石料理」です。これは茶席でお茶をおいしくいただくために、お茶の前に出される料理です。
最後は「会席料理」です。これは懐石料理の発展型ともいうべきもので、饗宴用に4本足のついた個人用のお盆(足高膳といいます)に乗せられて供せられます。現代的な和食の典型ともいえます。
『WASHOKU』と『和食』の目次
両書の目次は、細部は異なりますが、およそ以下の通りとなっています。
はじめに
1. 和食とは
2. 和食の由来
3. 和食の神髄
3-1. 発酵
3-2. うま味
3-3. 出汁(だし)
3-3-1. 出汁の作り方
3-4. 五味五色
3-5. 季節感
3-6. 審美的盛り付け
3-6-1. 食器のサイズ
3-6-2. 食器の色
3-6-3. 三次元の盛り付け
3-6-4. さまざまな形や素材の食器
3-7. おせち料理
3-7-1. 「おせち」の由来
3-7-2. おせち料理、各料理に意味がある
4. 「いただきます」と「ごちそうさま」
5. 日本の食事作法
5-1. 箸の6つの、いけない使い方
5-2. 箸の3つの禁忌
5-3. 食事時の4つの下品な作法
5-4. 二つの例外的な食事作法
6. 席順
7. 日本の漬け物
7-1. ぬか漬け
7-2. 白菜漬け
8. 健康十訓
おわりに
外国人へのメッセージ
おわりに(外国人向けに書いています)
世界で美味しいといわれる食べ物は、だいたい砂糖と油で味付けられています。これに対して日本の料理は、主として季節の野菜と新鮮な魚を使い、発酵調味料で調理されています。
私たち日本人は、こうして季節感のある新鮮な香りや味を楽しんでいます。
訪日された観光客の方が、しばしば、日本料理は美しく盛り付けられているが、味がちょっと薄いと言います。しかし、もし彼らが、少なくとも1ヵ月、日本に滞在することができれば、和食の本当の美味しさや、美しい山々から流れ来る天然水の美味しさを楽しむことができるようになるでしょう。舌が慣れてくると思われるのです。
これまでに多くの外国人が美味しい和食や飲料水、日本人のていねいさ、清潔感、伝統的文化、しきたりや風俗習慣、街の清潔感などが好きになり、日本に住み着くようになっています。
日本にできるだけ長く滞在して、美味しい和食を楽しんでください。同時に日本人と話す機会を持ってください。驚かれるかもしれませんが、日本人で英語を話せる人は、たったの5%くらいです。
しかし、それは大した問題ではありません。日本人は恥ずかしがり屋ですが、海外からの皆さまと交流するのは好きなのです。そして大部分の日本人はあなた方に優しいです。言葉を超えて楽しいひと時が過ごせます。
私は本書の中で、和食とはどういうものかということと、発酵作用を活用した和食の基本的な調理方法について説明しました。
あなたが来日してみると、いたるところで和食を楽しめます。あなたを案内するガイドに自分の好みを話して、それに相応しい食堂を選んでもらうといいでしょう。
そして来日の折には、いちどは正式な和食(超一流ではなくても、ま、超二流くらいの和式食堂で)を、また、いろいろな庶民的な和食も味わってみてください。
つまりそれらは、ラーメン、回転すし、お好み焼き、餃子、焼き鳥、てんぷら、すき焼き、それにしゃぶしゃぶなどです。
私はこれらの庶民的な和食について『The Best 20 of Japanese Casual Dishes』という電子書籍をAmazon.com から発売しています。ぜひ、ご購読ください。
まとめ
私は『和食』を若い人にぜひ読んでいただきたいと思います。ハンバーグを食いちぎって食べること、飲み物をペットボトルからラッパ飲みすることが、恥ずかしいことだと思わない若い人たちです。食事の礼節を知って欲しいと思います。
また、若い人たちは洋食慣れし、和食の良さ、発酵食品や発酵調味料の知識が希薄なように思われます。本書を読んで、日本人であることに誇りを持っていただけるようになれたら、本書はその役割を全うできたと思います。
シリーズ・ブログ ご紹介書籍一覧
本書は、Amazon.com の「本」部門で「新津正人」、「Masato Niitsu」または「署名」で検索すると、私の著作の一覧が出てきますので、そこで買えます。一般書店には出回っていません。
1. 『添乗員はつらいよ』490円、紙書籍1,727円
2.『43図解 広報PR 生きる経営戦略の要諦』885円
3. 『上野精養軒物語』900円
4. 『The Best 20 of Japanese Casual Dishes』482円
5. 『WASHOKU』502円
6. 『和食』490円
7. 『レマン湖永久に』431円、紙書籍 1,980円
8. 『ジャカランダ慕情』321円