ダイヤモンド婚約指輪の間違いない買い方

ダイヤモンド

ダイヤモンド婚約指輪は、二人にとって生涯で記念碑的な買い物です。
買った後で「あっ、しまった!」と後悔しないために、その選び方の要点を解説します。

デ・ビアス社の概要は、本記事末尾にあります。

1.ダイヤモンド選び 4つのポイント

ダイヤモンド選びには4つのポイントがあります。

それは、業界のシニアが口にする「石目(いしめ)、色、キズ、カット」の4つです。
正確には、石目=Carat(カラット=重さ)、Color(カラー=色)、Clarity(クラリティ=透明度)およびCut(カット=対称性と研磨状態)のことです。

それぞれの英語の頭文字をとって「4つのC」と呼んでおり、私がデ・ビアス社の日本市場教育担当部長をしていたころ、日本にももっと広く普及すべく、カラーチャートなどのPOP(販売現場支援資材)を日本で初めて作って、全国の主要宝飾店へ配布しました。
順番に説明していきます。

1-1. カラット(重さ)

カラットってよく耳にしますよね。これは、ダイヤモンドなどの宝石類の重さを表す単位です。 1カラットは0.2グラムとする国際単位です。日本では、1909(明治42)年に、農商務省令第54号により採用されました。

ダイヤモンド婚約指輪などの商品の値札には「0.3 Ct」などのように「Ct」がカラットの単位記号として使われています。英語の「Carat」の略ですね。

ダイヤモンドの価格は、基本的にはカラットの数字が大きいほど(重量が重いほど)高くなります。しかし、ダイヤモンドの輝き(美しさ)は、カラット数が大きければ良いというものではありません。

ダイヤモンドはそれ自体、電球のように光を発するものではありません。ダイヤモンドに入った自然光や人工光が内部で反射し屈折し、外に出るときに美しく輝くのです。そのために重要なのはカラットではなく、クラリティとカットなのです。

ダイヤモンドに入射した光が何の障害物もなく、ストレートに反射や屈折ができるためには、ダイヤモンドの中に何もないことが理想的です。しかし、ダイヤモンドは天然の産物ですから、中に生成時に入ってしまった小さな鉱物片やガスが入っています。

これらはインクルージョン(inclusion)と呼ばれ、その多寡はダイヤモンドのクラリティ(透明度)に影響します。

このようにカラットは、単に重さの単位であり、本質的にはダイヤモンドの美しさに関係ありません。ダイヤモンドの本来の品質を決めるのは、ほかの3つのCといってもいいでしょう。

実際のところ、ダイヤモンド婚約指輪としての売れ筋は0.2~0.4カラット、直径としては3.8~4.8ミリくらいになっています。

なぜ0.2グラムが1カラットなのでしょうか?

むかしむかしの話ですが、インドや中東では、ものを量るのに正確な錘(おもり=分銅)がまだ作れなかったので、乾燥重量が1粒ほぼ0.2グラムのイナゴマメの種が使われていたのですね(下写真)

イナゴマメは地中海原産の常緑高木で高さが10メートルにもなります。マメとはいえ大豆とはだいぶ違いますね(笑)。これをギリシア語で「Keration(ケラティオン)」といい、カラットの語源と言われています。

イナゴマメは今でも食用で人気があり、ネット通販でも売っていますよ。ダイヤモンドほど高くありません(笑)。

世界最大のダイヤモンド

ところで、現在までで世界で一番大きなダイヤモンドはどのくらいの大きさだと思いますか?

ダイヤモンドの採掘は、大土木工事のようで、例えば「某引っ越しセンター」の大型トラック(11トン車)1台分の、ダイヤモンドが含まれているかもしれない岩石から、どのくらいのダイヤモンドが得られると思いますか?

片手の手のひらにも満たないくらいしか採れないのです。だから、ダイヤモンド採掘跡には大きな穴が残るのです。現在、露天掘りのダイヤモンド鉱山の世界最大の穴跡はビッグホールと呼ばれ直径が500メートル弱もある巨大なものです。

南アフリカのデ・ビアス社のキンバリー鉱山(露天掘り)の跡です。

私も現地視察をしましたが、ま、言葉が出ませんでしたね。当初、深さは240メートルもあったそうですが、その後の、淵の瓦解や雨水がたまったりで、現在では175メートルの深さです。

さて、世界最大のダイヤモンドは、1905(明治38)年1月26日に南アフリカのカリナン鉱山で発見されたダイヤモンドの原石で、3106.75カラット(621.35g)という大きさです。大人の男性の拳(こぶし)くらいですね。鉱山の名前をとってカリナン原石といっています。

ダイヤモンド原石は、それ自体では輝いていません。身近な例では氷砂糖というか、磨く前の水晶のような感じですかね。

そのカリナン原石は、採掘者から当時の現地政府へ売却され、そしてイギリス国王の誕生祝として王室へ贈呈されました。

しかし、輝かないダイヤモンドなんてダイヤモンドとはいえない、「玉磨かざれば光なし」ということで、紆余曲折、いろいろと苦労はあったようですが、1908(明治41)年に最初の分割(劈開といいます)が行なわれ、最終的には9つの大きなダイヤモンドと96個の小さなダイヤモンドに分割され、研磨されました。

9つのダイヤモンドには、「カリナンⅠ」から「カリナンⅨ」までの名が与えられ、すべてイギリス王室または王族個人が、王芴(おうこつ=杖のようなアレです、写真下右)や王冠(写真左)に飾り付けられたものを所有しており、いくつかはロンドン塔で永久展示されています。

私もロンドン塔でこれらを見る機会に恵まれましたが、ま、庶民にはため息しか出ませんでした。

1-2. カラー(色)

ダイヤモンドは、宝飾品に使われているものは外見上はほぼ無色(透明)のように見えます。
しかし、厳密にはあるランクから下位のダイヤモンドには微かに黄味がかかっており、ずっと下位になるとかなり黄味が目出します。

GIA(Gemological Institute of America=米国宝石学会)が定めたカラー等級(下表)が、現在、ダイヤモンドのカラー等級を決める標準になっています。無色のDからはっきり黄色とわかる等級Zまでの23のカラー等級があります。

下に代表的な等級の写真を載せておきます。左からD、H、N、およびZです。(出典:GIA)。

日本でダイヤモンド婚約指輪によく使われるのはG、Hクラスです。

Dカラーのダイヤモンドなどは、日本の宝飾品店などではあまり売り場に出していないので、めったに見ることはできません。私は南アフリカのヨハネスブルグにデ・ビアス社の本社を訪問した折に、大粒のDカラーのダイヤモンドを間近で見ましたが、スーッと自分がその石に吸い込まれていくような気がしました。

1-3. クラリティ(透明度)

クラリティ(透明度)というのは、ダイヤモンドができる過程でダイヤモンドの中に含まれてしまった内包物(鉱物片やガス)の量や大きさ、場所などにより、透明度を11段階で表す基準です。表面に付いた小さな欠損なども評価に含まれます。

天然ダイヤモンドは、数百万年から数十億年も前に、地下120キロ以上の深さで、人間の想像をはるかに超える900〜1300°Cもの強烈な熱と強力な圧力の中で生成されました。鉛筆の芯と同じ炭素が結晶化してできたものです。

その生成過程で、ごく微小な鉱物結晶片やガスがダイヤモンドの中に残ってしまいます。あるいは割れ目や裂け目などダイヤモンド内部に響くものもできています。これら内包物ができるだけないものが高品質とされています。

ダイヤモンドのこのような生成過程の特長から、ダイヤモンド婚約指輪は世界中にまったく同じものはありません。これが、金やプラチナと違う価値があるところです。金やプラチナなどの金属ジュエリーは、品質はどこを切っても均一で、同じアイテムは世界にたくさん存在します。

世界に一人しかいない最愛のフィアンセに、世界で一つしかないダイヤモンド婚約指輪を贈るのです。価格はともかく、なのです。これがダイヤモンドのロマンだと、私はいつも考えています。

 


マイナビウエディングで婚約指輪を探して、ジュエリーショップに来店予約する

1-4. カット(対称性と研磨)

さて、「4つのC」の4つ目のCはカットです。
ふつう英語でカット(cut)といえば、まな板の上で野菜を切るとか、はさみで紙を切るように、刃物で何かをチョン切るイメージですね。

私もデ・ビアス社の仕事をするようになったときに、「ダイヤモンドをカットする」(硬い石を切る?)ということがどうもスンナリ飲み込めなかったものです。

ラウンド・ブリリアント・カットのダイヤモンドのカットには、下記のグレードがあります。

1-4-1. 劈開、形どり

ダイヤモンドのカットというのは、氷砂糖のような原石を割ってある形にすることと、その表面を磨き上げる作業をいいます。割るといってもトンカチ(金槌)で殴って割るのではないのです(笑)。

ダイヤモンドなどの鉱物や結晶は、ある特定の方向に(原子配列に沿って)割れやすいという性質を持っています。これに沿って割ることを劈開(ヘキカイ)といいます。

したがってダイヤモンドでは、原石の割れやすいところへ器具を当て、衝撃を加えると小さく割れるのです。

ダイヤモンド原石は6面体や12面体など小さな結晶で発見されますが、比較的高い確率で発見されているのは8面体です。この形は、おおざっぱに言えば2つのラウンド・ブリリアント・カットのテーブル面(上の平らな面)を合わせた形になっています。

ですから劈開職人は磨きあがり状態で最大の「ラウンド・ブリリアント・カット」状態のダイヤモンドが二つ得られるように劈開していくのです。

研磨すれば「ラウンド・ブリリアント・カット」になる部分と、そうでない部分がでますが、後者はスクエア・カット(四角い形)やラウンド(丸い形)、ハート、楕円形、マーキス(ラグビーボールのような形)、ペア(西洋梨=落滴の上下逆)カットなどに仕上げられていきます。

また、下の図のようにカットを正しく行わないと、入射光がダイヤモンドの中で正しく反射・屈折して外へ出ていかないので美しい煌めきや輝きが得られません。

下の図の重き重視のカット(写真中、厚目)だと、カラットは重くなりますが美しい煌めきや輝きが得られません。
重いのである程度値段はつきますが、あまりお勧めできません。

下の図の見た目重視のカット(一番右、薄目)は、一番上のテーブルという部分が大きく見えるので、チョット見には大きなダイヤモンドに見えます。見栄っ張りの人には良いかもしれません。しかし、理想的な煌めきや輝きが得られません。

もう一つ、ダイヤモンド研磨に大切なのは、入射光がダイヤモンドの中で正しく反射・屈折して虹色に輝く煌めきを得るためには、カットがシンメトリー(左右対称)でなければなりません。下図の赤線部分のように非対称な部分があるのは好ましくありません。

1-4-2. 研磨

研磨工程は、劈開されたダイヤモンドをピカピカに磨き上げる工程です。

さて皆さん、ダイヤモンドは何で磨くと思いますか?

ダイヤモンドは、世の中で一番硬い鉱物です。
中学の時習ったのを覚えていますか?
「カッセキ、セッコウ、ホウカイセキ、ホタルイシ・・・」

そう、「モース硬度」ですね。やわらかい鉱物から硬い鉱物まで10段階にしたものです。
「滑石、石膏、方解石、蛍石、燐灰石、正長石、石英、黄玉(トパーズ)、鋼玉(コランダム)」、そして10番目、一番固いのが「金剛石(ダイヤモンド)」となります。

正長石まではナイフで傷をつけられますが、ナイフが傷つく、という硬さです。

ということで、ダイヤモンドを研磨するのはダイヤモンドの粉を塗布した器具なのですね。

よく、舗装道路を円盤状のノコギリで切っているのを見たことがあるでしょう。あれはノコギリにダイヤモンドの微粒子が塗布されているのです。

ダイヤモンドの研磨は、同様にダイヤモンドの微粒子を塗布した器具で磨き上げるのです。現在ではコンピューター制御の研磨機を使っていますが、私がイスラエルの研磨工場を訪問した折には、研磨職人が回るLPレコード(死語かな?)上の研磨機の上にダイヤモンドを器具を使って押し付けて研磨していました。研磨機にダイヤモンドを少し押し付けては角度を確認し、また押し付けるという「超」職人技でした。

下図のように、ダイヤモンドの表面が十分に研磨されていないと、ダイヤモンドの中に入らないで表面で反射する光が乱反射するので理想的な煌めきや輝きが得られません。

1-4-3. ラウンド・ブリリアント・カット

ダイヤモンドの4つのCのうち、カラットは成り行きで決まるものです。カラーとクラリティは天然ダイヤモンドが元来備えている特質です。

ここで大事なのは、仕上がりが左右対称であること(シンメトリーといいます)と、研磨の仕上がり状態(ポリッシュメントといいます)です。

カットはダイヤモンドの元来備えている特質を余すところなく生かすよう、美しさに人間がかかわれる部分=「人間の技」なのです。とくに理論的に完成された煌めきや輝きを引き出すための形が「ラウンド・ブリリアント・カット」というものです。

下にラウンド・ブリリアント・カットの側面図を示します。

ラウンド・ブリリアント・カットというのは、数学的に数値で規定された58面体のダイヤモンドですが、一番下の部分が水平に研磨されていないものは57面体となっています。

全体的に説明しますと、16.2%と数値のある下のダイヤモンドを鉢巻上に巻いている部分をガードルといいます。
そのガードルの上部の台形状の部分はクラウン、その下の三角形のような形の部分をパビリオンと呼びます。

図の数字を説明します。ラウンド・ブリリアント・カットのダイヤモンドの直径を100%とした場合、上のテーブルと呼ばれる部分の直径はその53%、テーブルからその下のガードルと呼ばれる、ダイヤモンドを鉢巻上に巻いている部分までの深さの割合は16.2%、さらにそこから一番下(キューレットといいます)までの深さは43.1%という具合です。

さらに大事なポイントは、右側の「34 1/2」と「40 3/4」という数字です。単位は角度の度です。
上はクラウン角度、下はパビリオン角度といいます。

この角度が、ダイヤモンドに入った光がその中で反射し、屈折して再びダイヤモンドの外に出るとき、最も美しく輝き、煌めく角度なのです。

図中「ファセット」とあるのは研磨された「面」のことです。

1-4-4.トルコウスキー理論

 

この数値は、ベルギーの数学者でありダイヤモンド加工職人であったマルセル・トルコフスキーが1919(大正8)年に発表したものです。トルコウスキ家はベルギーのダイヤモンド加工業の名門です。

彼はダイヤモンドの反射・屈折率といった光学的特性を数学的に考慮して、最も美しく輝く型を理論的に見いだし、「アイディアル・ラウンド・ブリリアント・カット」として発表しました。それまでは大きさが重視されていたダイヤモンドに輝きという価値を加えたのです。「アイデアル」は「理想的な」という意味です。

マルセルが考案したこの輝きの理論は、ダイヤモンド・カットの王道となっており、100年経った今もこれを超えるカット法は開発されていません。

この理論に基づいてカットされたラウンド・ブリリアント・カットには、煌めきや輝きが素晴らしい訳ですが、次のような言葉がよくつかわれています。

ブライトネスまたはブリリアンス:輝きのことです。
ダイヤモンドを正面から見た時に、内部外部のファセットから反射されて見える白色の光のことです。一般的に、ダイヤモンドが明るければ明るいほど、そのグレードは高くなります。

ファイア(ディスパーション)
ファイアは「炎」のようなという意味です。ディスパーションは物理用語の英語で、「光の分散」のことをいいます。
ダイヤモンドに入った白色光が、ダイヤモンド内部で屈折反射を繰り返し、七色の虹色に分光(スペクトル)されることを示します。ダイヤモンドをライトの下で動かすと赤・青・黄色・オレンジ色の煌きが確認できます。

シンチレーション
シンチレーションは英語では「火花」のことをいいますが、物理学で放射線が蛍光物質に衝突したときに発する光のことをいいます。
ダイヤモンドと照明、人。そのいずれかが動いた時、ファセットから閃光または煌きが生じます。このキラッと光るフラッシュ効果をシンチレーションといいます。エクセレント・グレイドのカットのダイヤモンドでは容易に見られます。細かいシンチレーションは繊細で美しく魅力的です。

ダイヤモンド婚約指輪では、だいたいエクセレントからグッドまでのカット・グレイドのものが選ばれています。販売店によっては、エクセレントをさらにいくつかのグレイドに分けて等級付けしているところもあります。

1-4-5. ハート・アンド・キューピッド

ダイヤモンドの「4つのC」のうち、人の英知と研磨技術でその価値が決まるのが「カット」であることは、すでに述べました。
その「カット」で大事なことはシンメトリー(左右の対称性)とポリッシュメント(研磨)であることもご説明しました。

ここでは、シンメトリーとポリッシュメントが完璧に行われた場合にハートとアロー(矢)の形が見えることをご説明します。アローはキューピッドが持っているので「ハート・アンド・キューピッド」といわれて楽しまれ、貴重がられています。

ジェムスコープ(ジェム=宝石、スコープ=見る器具)という特殊な器具を使って、ラウンド・ブリリアント・カットにカットされたダイヤモンドを下(パビリオン側)から見ると(実際にはダイヤモンドを上下反対にして上から見る)、8個のハートの模様が見えます(下の写真左)

また、上(クラウン側)から見ると8本の矢(アロー)が見えます(同写真右)

この現象は、ダイヤモンドがシンメトリー(対称性)に優れたカットが施されている場合のみに現れる現象です。カット面を均一な形状と大きさに仕上げなければ、こうした模様がは現れることはありません。

また、ダイヤモンド内部に鉱物片やガス(インクルージョン)があると、それらが光の通路を邪魔して「ハート・アンド・キューピッド」を見ることはできないのです。
これは中央宝石研究所(東京・上野)の発見によるものです。【写真出典:中央宝石研究所】

以上、ダイヤモンドの「4つのC」についてご説明してきました。
お判りいただければ幸甚です。

 

2. ジュエリーデー(11月11日 )

さて、11月11日はジュエリーデーです。この記念日は、宝石業界の団体である一般社団法人・日本ジュエリー協会が1986年(昭和61年)に制定しました。

1909年(明治42年)の11月11日、農商務省令第54号により、宝石の重量の表示に200mgを1ct(カラット)とする国際単位が日本でも採用されました。その日をジュエリーデーと制定したのです。ジュエリーの魅力を多くの人に知らせることが目的です。

私はこのジュエリーデーの制定に、外資系広告代理店の責任者として参加しました。東京・銀座4丁目の和光本館の前で協会の重鎮や関係者が参加してデモンストレーションを行ない、和光のあのショールームにもジュエリーデーのディスプレイが行なわれました。

上の写真のテレホンカードは、これを記念して制作したものです。モデルが付けている宝飾品は、もちろんすべて本物で、総額が確か2,000万円くらいしました。撮影にはガードマンが付きました。

3.筆者とダイヤモンド、De Beers との関係

私はかつて、De Beers(デ・ビアス社)の日本市場教育担当部長という要職にあり、日本でのダイヤモンド・ジュエリーの普及、販路拡大のため、ジュエリー店の店員さんにはダイヤモンド知識の普及のための講演、経営者にはジュエリー店の経営ノウハウの指導のため、全国を駆け回りました。

そのためにアフリカにある同社のダイヤモンド採掘現場(地下1,500 mの鉱山とか海岸など)やダイヤモンド選別や研磨、そして鑑定現場に足を運び知識と経験を重ねてきました。ヨーロッパの同職のスタッフらとローザンヌで研修合宿も何回もしました。

ロンドンの世界営業本部へも何回も行って戦略会議に参加しましたし、ヨハネスブルグの本社にも研修訪問しました。さらには、イスラエルのいくつかのダイヤモンド研磨工場や、普通の人は絶対に入れないダイヤモンド取引所内を視察、シュニッツラー会長とも面談しました【写真下】

私たちがイスラエル・ダイヤモンド取引所を視察した時、発行されたプレス・レリース。

アントワープは世界のダイヤモンドの7割が通過するというダイヤモンド流通の要所ですが、ここでも関係要人と懇談しました。

こうした背景をもとに以上の記事を執筆しました。

De Beers 社について

かつてダイヤモンドはブラジルやインドで採掘されていました。南アフリカでダイヤモンドが最初に発見されるまでの約150年間は、ブラジルがその主要生産地だったのです。

ところが1867年(翌年が明治元年)、南アフリカはオランダが統括していたケープ植民地(ケープタウンのある地域)のオレンジ川(全長2,200㎞)近くの貧農のボーア人(オランダ系移民)ダニエル・ヤコブの息子エラスムスが、南アフリカ初となるダイヤモンド原石(21.5 Ct)を自宅農地で発見しました。

その後、ダイヤモンド原石は次々に発見され、1869(明治2)年には「Star of South Africa」という83.5カラットもあるダイヤモンド原石が発見されるにいたります。ダイヤモンドの大鉱脈があることが分かったのです。多くの人間が一攫千金を夢見て殺到しました。ダイヤモンド・ラッシュの始まりです。

その頃のダイヤモンド原石は、まだ地中を深く掘るのではなく、川などで採集できました。つまり何十億年もの大昔、火山の爆発でダイヤモンド原石が含まれているキンバ―ライトが、地表に露出し、長年風雨に晒されてダイヤモンド原石が川へと流れてきたのです。

そこで、セシル・ローズという男が一帯の大小多くの採集場や採掘場を買い集め設立したのが現在のDeBeers社です。社名はDe Beerという、ダイヤモンド原石が採集できる農場を持っていた二人の兄弟の姓に由来する。二人なので複数を表す「s」が付けられた。

その後、De Beersはダイヤモンドの、大量採掘による値崩れを防ぎ、ダイヤモンドの価値を永遠ならしめるために次の三つの施策を打ち出しました。

1)ダイヤモンド生産者組合(Diamond Producers Association=DPA)の設立。
  生産調整をする。

2)ダイヤモンド貿易会社(Diamond Trading Company=DTC)の設立。
  すべてのダイヤモンド原石を買い占め、流通させる。

3)ダイヤモンド販売機構(Central Selling Organization)の設立。
  ダイヤモンド原石の販売機構。流通量の調整と価格のコントロール。

つまり、これら三つの組織により、De Beersはダイヤモンド原石の発掘・採集から流通、販売まで一括してコントロールする組織を構築したのです。

これにより世界のダイヤモンド原石の9割を掌握する時期もありました。

こうした組織が約100年以上も機能しているため、ダイヤモンドの価格が崩れることもなく、ダイヤモンドの価値は一定に保たれ、ダイヤモンドの価格は長期的に上昇する、という安心感が「A Diamond is Forever」という宣伝キャッチフレーズとともに醸成されたのです。

独特なダイヤモンド原石の販売方法

加えて、CSO(中央販売機構)が行なっている独特な原石販売方法をご案内しましょう。

ダイヤモンド原石は普通の商品の流通と違って、おカネを払えばだれでも買えるものではありません。

1年に10回、本社で「サイト」という集まりがあります。ここには世界中でわずか80~100人ほどの「サイトホルダー」という人たちだけが参加できます。日本からは、真珠で知られるTASAKIだけが、1994年からメンバーになっています。

De Beersはサイトホルダーに、大きさや品質がいろいろ取り混ぜられた複数のダイヤモンド原石が入った袋を渡します。一袋の価格も決めてあります。

サイトホルダーは、その袋を言い値で買わなくてはなりません。買わなければ、次回からは、もうサイトには呼ばれないのです。

このようにして、De Beersは出回るダイヤモンド原石の流通量や価格をコントロールしているのです。

これは原石ですから、研磨業者、あるいは研磨工場を持っている宝飾店がこれを買い、劈開や研磨をして、ピカピカに輝くダイヤモンドに仕上げるのです。これをルース(裸石)といいます。

ルースは、デザインされた枠に嵌められて指輪となったり、ペンダント・ヘッドになったりして、初めて店頭に並ぶのです。

4.まとめ ダイヤモンド婚約指輪購入のポイント

1)婚約指輪として購入されるのはダイヤモンド指輪は、ラウンド・ブリリアント・カットのものが圧倒的です。そしてダイヤモンドが目立つように立て爪という方法でリングに固定しています。

2)婚約指輪のダイヤモンドを見極めるのは「4つのC」、つまり、カラット、カラー、クラリティ、およびカットです。

3)カラットは、成り行きで決まる重量であり、カラーとクラリティは、ダイヤモンドがもともと持っている特質で、人が変えることはできません。

4)カットは、人間がダイヤモンドになしうる唯一の加工法で、これによりダイヤモンドの価値は大きく変わります。

5)ダイヤモンドというとすぐにカラットが話題になります。カラットもダイヤモンド婚約指輪の重要な要素の一つですが、カラットが大きければ(重量があれば)美しく煌めいたり輝く、というものでもありません。
カラットが多い石は、肉でいえば脂身も重量のうちのような感じもしますし、人でいえば太っていれば良いというものではありません。

6)カラットが少なくても、ほかの3つのCが良いものを選ぶことをお勧めします。

7)価格は、私たち外資系広告代理店が「新郎の給料の3か月分」のスローガンで1960年代から長年キャンペーンを張りましたので、日本ではある程度の価格指標になりました。現状では40万円前後のようです。

8)ダイヤモンド婚約指輪の値札には、カラット、カラーグレード、クラリティグレード、そしてカットについて記載されています。さらに鑑定書というものがついているので、わからないところは店員さんに聞いて、十分納得してから買うようにしましょう。

9)婚約指輪にダイヤモンド指輪を贈る習慣は、私たち広告代理店が仕掛けたもので、今や日本人の生活習慣になりました。購買率はおよそ94%です。キャンペーン前は10%未満でした。つまり、4月生まれの花嫁さんが誕生石のダイヤモンドを買ってもらっていただけだったのです。世界的にマーケテイング上の大きな成功事例といえるでしょう。

10)人工ダイヤモンドも気になりますね。天然物に勝るような輝きを見せます。それは、金やプラチナ同様、内包物がないからです。最初からすべて人の手で作られたものなのです。しかし私は天然ダイヤモンド婚約指輪をお勧めします。それは世界に一つしかない二人のための、世界に一つしかないダイヤモンド婚約指輪だからです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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