熱い吐息で甘噛みされて

昭和の青年

歌手・永渕剛がむかし、 「おれはテレビなんかにでない」 なんて突っ張っていた頃、

♪ 女~好きは、おいらの悪い癖、でも遊びなんかじゃないよ~♪
『俺らの家まで』(長渕剛作詞・作曲)

という歌をっていた。 光源氏(こちらは歌手ではなくて紫式部が書いた本物の方)が聞いたら苦笑いをするようなプレイボーイ・ソングだ。

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女性にはいつも一生懸命

女の人には女の人特有の愚かさとか、理不尽さとか、 自己正当化があるように、 男にもそんなものがあって、私はこの歌詞にいたく惹かれるところがある。 決して、女の人と遊んで、嬲りまわして、子供が興味が持てなくなった人形を捨てるようなことはしないし、ま、 私にはできない。

女性にはいつも一生懸命で、 女の子が恥をかかないように、困らないように、寂しくないように、そして 私のそばにいるのが楽しくなるように気を使っている。 でもそれは意識してしていることではなくて、 性分だから、 全然苦にならない。

だから、 例えばレストランで、近くに私のまったく知らないペアが席をとったとする。 その若い女性が、同席の男に邪見に対応されて、精神的に満たされない状況に移行しつつあるというときなど、 なぜか私はそういうことがとっさに関知できて、 相手の男に憤りを感じる。

余計なお節介だとは承知しているけれど、そういう感情が自然に出てくるのだから仕方がない。 もちろん、それを相手の男に言ったりはしない。 そういう理性は弁(ワキマ) えている。

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スカートを履いていれば誰でもいいと言うわけではない

このような精神活動の反作用としてか、女の娘の好き嫌いは、はっきりしている。スカートを履いていれば誰でもいいと言うわけではない。客観的にみれば、まったく大人げがないと自分でも思う。

私は長渕剛の歌詞のように、女性が好きだし酒も好きだが、鮨と酒があればどんなものでもいつでもハッピーという訳には行かないのに似ている。 テニスのラケットやゴルフのクラブに例えればスイートスポットが狭いのだ。

勘違いの好意

もちろんビジネスにこんなわがままは持ち込めない。 意識して精一杯、礼儀正しい紳士として振る舞う。 すると、ときとして向こうが勘違いして、こちらが向こうに好意を抱いているのではないかと思ったりするようだ。

これは私の自惚れかも知れないが、 たぶんそうだろうが、でもそうでもない、と思い当たる事例がいくつかあった。

私はマーケティングとPR が専門だから、広告代理店時代はどっちを向いてもクライアント(顧客)だ。したがっ て通常はこちらから食事とか飲み会にお誘いする。 それがあるとき、外資系クライアントの 向こうから声が掛かったことがあった。
「おっとっと、 来ちゃった、来ちゃった」
という感じである。 その女性、結構利発でルックスも良 く、ま、一緒に歩いてもらうには、よそ目にはいいカップルに見えるかも知れない。

ま、お客さんなんだから、そつなくファースト・クラスの おもてなしをした。 こういう場合、 それとなく
「当方はあなたに個人的興味はない」
と悟らせるべきだ、という意見も仲間うちにはあったが、 私はそれができなくて、つい直球で勝負をしてしまった。

食事後の帰りのタクシーのなかで、 彼女は私の指をずっと握っていたが、ときどき熱い吐息で甘噛みしていたりしていて、 私も自分に要求されている次の役割をそういう状況のなかで十分承知してはいた。しかし、彼女にはたい へん申し訳ないとは思いつつ、やはりその気にはなれなかった。 客相手の仕事は、 業種に関わりな く、 ま、 大変、大変。男はつらいよ。

まとめ

本稿は、読み方によっては自慢話ともとれる。しかし、私がここで言いたいのは、広告業界のクライアント側にいる人たちは、女性であれ男性であれ、ご自身の立場を十分ご認識の上で広告代理店側の人に接してほしいということです。

あなた方の立場は圧倒的に強いので、代理店側の人間としては、いつも「イエス・サー」が基本なのです。

ある時など、契約期限が切れたにもかかわらず、外資系企業のクライアントの女性担当者が、ほぼほぼ個人に属するような品物の制作を依頼してきた。契約期限内なら、億単位の広告制作費や媒体費を任されていたので、即刻OKの仕事だが、期限が切れたとなれば外資系の広告代理店としては、その経費処理ができない。

代理店側の担当者の個人的好意を、契約が過ぎてからも期待してはいけない。

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