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◆ PRは女性の天職?
私は常々、そう思っている。20年以上もPRの仕事をしてきて(2004年当時)、正直なところ、実務面では、男性は女性にかなわないのではないか、と思っている。
過日、メディア・セールス(広告掲載営業)の女性が来社した。弊社のホームページを見て、数日前に飛び込み営業の電話をかけてきたのだ。私もこの道は長いので、飛び込み営業者から情報を得なくても、十分間に合う。
なぜ、来社を許可したのか。それはちょうど、手持ち案件で、彼女のメディア情報に若干の希望が見えたので、それが聞きたかったことがひとつ。もうひとつは、彼女の電話とメールの対応がしっかりしていたからだ。
彼女のこのような「才能」は、男女を問わずPRスペシャリストには必須である。相手に「会ってみようか」と思わせる「技術」は欠かせない。本人は「技術」とは思っていまいが。
プレス・コンタクト(マスコミ関係者への連絡)にしても、その電話が要領よく、感じがよければ、会って見ようかという気になるのは、マスコミ側にいたこともあるので、よくわかる。
こういう点で、女性はPRの仕事に向いている。その他、他人に迷惑をかけないようにするという、もっとも基本的な点でも、キメ細やかなクライアント・コンタクトでも、男性より女性に軍配が上がると思う。
会って見た彼女は、この暑い夏にスーツ着用で礼儀正しく、しかも清潔感があった。プレゼン(商品説明)もしっかりしており、当方への質問も礼をわきまえて、鋭い。こういう人材は、企業を代表するPRパーソンに相応しい。
私は、以前から、PRパーソンは女性の天職だと思っている。企業広報や商品広報の実施人材としては、男性は女性にかなわないと思う。男性は、その論理的思考を企画段階で活かせる。当然のことながら、すべての女性が適正というわけではない。
◆ 情報検索武器としての英語
PRパーソンの適性のひとつとして、情報収集が得意か、という点がある。国内で日本企業のPR業務をしていても、英語の読解力(特に最近ではウェブの)は、より広範な情報収集の武器として重要である。
何も、英語のウェブにこう書いてありました、とクライアントの前で己の浅薄ぶりを露呈することはない。情報のひとつとして、あるいは知性・教養のひとつとして、そういうことを知っていれば、企画書作成やクライアントとの会話でも「深み」がでる、というものだ。
今後は、国際交流が深まる中で、またユビキタス(いつでもどこでも存在するの意)な状況下で、インターネットのますますの発展が見込まれる。世界中のインターネット情報のうち日本語の占める割合は10%内外と少ない。
いま20代、30代の人は、今後、英語が使えなければ、「絶対」といって良いほど「人に使われる」「普通のおじさん、おばさん」になるしかなかろう。
かく言う私も36歳までは英会話はできなかった。今は、外国企業の日本代表をしたり、米国へ単身乗り込んで、通訳なしで契約もしている。その契約書も作成する。
年老いてからは「全国通訳案内士」の国家資格を取得した。多分その年の合格者のうち上から3番目くらいの年齢であった。実務面でも、英会話は得意ではないが、案内した訪日外国人観光客の投票により、人気ガイドナンバーワンになったこともある。
英語は、できる人が「すごい」のではなく、自分の武器として使える人が「すごい」のだ。英会話が上手な「全国通訳案内士」でも、訪日外国人観光客がその案内に満足するとは限らない。
例の女性は、まだ20代半ば。人品骨柄は悪くないのだから、「ぜひ、英語が使えるように!」と励ました。「今夜から、お風呂の中で音読をします」とお礼のメールに書かれていた。音読は私の英会話学習の主要部分で、彼女に勧めておいた。
◆ きょうのまとめ
1 女性はPRの仕事に向いている。
2 英語の力(読み、書き、聞き、話す)は、それができれば良いのではない。自分の武器として「使える」ことが重要だ。
◆ 参考書
なお、すでに私は「図解43広報PR 生き残る経営戦略の要諦」【写真下】という電子書籍をアマゾン・ドットコムから発売しています。こちらはPRについてすべて図解のわかりやすいPR入門書・実用書となっております。併せてお読みいただくとPRへのご理解がよりいっそう深まります。