余命1年クリアして生還祈念旅行

ガン撃退記

 医師は「余命1年」と診立てましたが、退院後すでに1年を経過しPSA(腫瘍マーカー)は大幅に改善しました。役者稼業にも復活していますし、近々には英語ガイドも再開しようかと考えていました。そんな矢先、妻が記念旅行に行こう、と言ってくれました。そうか、そういう手があったな。妻の介護尽力に感謝する意味でも、二つ返事で了解しました。

 本稿は、前立腺ガン(prostate cancer)闘病者への激励および同病に関心のある方への情報提供として投稿しています。

 本稿は連載ものです。これまでに以下6本が出ています。
#1 えっ!?私がガン?毎年の健康診断は何だったのか!
#2 ガン撃退作戦開始!「スポーツ散歩」で血流促進、新陳代謝促進
#3 ガンの身で東京ー京都踏破!「スポーツ散歩」で血流促進
#4 歳かな?は要注意 ガンの早期発見
#5 末期ガン闘病1年「絶対に生残る!」強い執念と妻の献身的支援
#6 ガン治療で女性化体質と甘党食性への変化

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1「余命1年」クリア

 昨年(2022年)9月5日、前立腺ガンで1ヵ月の集中治療入院の後、退院しました。その時点では末期ガンであちこちに転移しているとだけ伝えられていました。
 退院後、病状は勢いをもって回復に向かい、ある時、主治医をして、
「最初は1年持つかなぁ、と思いましたよ」
と言わしめました。

1)病は気から、諸病の根源は血流の鈍化

 退院後は、体重が14~15kgも落ちたので、杖を突いて歩くのがやっとでした。その後、「病は気から」という精神論と、諸病の根源は血流の悪さ、という実利的信念に基づき、まず、歩いて脚力、ひいては基礎体力の回復に努力しました。
 体力回復のために妻は料理に大変気を配ってくれました。また、私のスポーツ散歩には、転んだ時の補助や精神的な励みのために、全行程一緒に歩いてくれました。これらは私に大変な励みとなり、感謝の念に堪えません。
 すでに、記録をつけ始めてから1,300kmも歩いています。東京と大阪間を往復歩いてよりも長い距離です。
 医師は当初、「余命1年」と診立てましたが、退院後すでに1年を経過し、腫瘍マーカー(PSA)は大幅に改善し、体調も優れてきました。役者稼業にも復活していますし、近々には英語ガイドも再開しようかと考えています。

2)稲取温泉

 そんな矢先、妻が記念旅行に行こう、と言ってくれました。そうか、そういう手があったな。妻の介護尽力に感謝する意味でも、二つ返事で了解しました。10月の4日と5日、自分のクルマで周遊しました。
 行先は、伊豆・稲取温泉にしました。その近くには妻の姉夫婦が住んでいます。家内は姉夫婦のために、手料理を5種類も、それぞれ大きなタッパーウェアに1種類ずつ詰めて持っていきました。大変、喜んでもらいました。
 伊豆は、太陽が相模湾に反射して、景色は良いし、山へ入ると緑や河津七滝(だる)当たりではマイナスイオンがいっぱいで、病状はさらに良くなりそうです。高校生のころは、大きなバイクで石廊崎まで日帰りをしたこともあります。

 また、新鮮な魚介類は私の好物なので、前日と翌日の昼飯は、それぞれ「どんぶりや」(伊豆急・河津駅前)と「沼津みなと新鮮館」で楽しみました。
 両店には今までに何回も行っています。「どんぶりや」は1軒のお店ですが、「沼津みなと新鮮館」は沼津港にある海鮮物の食堂や土産店が15軒くらい入っている飲食建物です。もちろん、ホテルの夕食や朝食もオーシャンビューの素敵な食堂でいた

だきました。夕食時には食堂の隣にはデザート・ルームというのがあって、スイーツや果物、飲み物が用意されていました。温泉も、室内大浴場や露天風呂を海を眺めながら楽しみました。旅行から帰宅して、「よくまぁ、生還したなぁ」としみじみ思いました。
【写真説明】
 港のような景色は沼津港の海鮮食堂からです。富士山が見えるのは 伊豆ダルマ山展望台からです。『伊豆の踊子』の像と一緒に映っているのは、河津七滝(だる)のひとつ・初景滝(しょけいだる)にてです。いずれの場所も、何回も行っているところです。(2023年10月6日記)
#前立腺ガン #末期ガン #余命1年 #末期ガンからの生還 #病は気から

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2 家内が乳ガン!? うそだろ?

 私の前立腺ガンはフェーズ4で見つかりましたが、このフェーズになるまで市が行なう年次の健康診断では見つかりませんでした。そんな信頼性のない健康診断ですが、今年の診断で、家内に乳ガンの疑いがあるとのことで、精密検査を受けることになりました。

1)ほんとかよ、今度はカミさんかい

「ほんとかよ。私がなんとか生き延びられそうになったら、今度はカミさんかい」
 私は、市の健康診断が、この時ばかりは誤りであることを祈りました。家内はさっそく、精密検査を受けることにしました。私は、付き添っていっても何の役にも立ちませんがソワソワしながら、
「なぁに、何ともねぇよ」
――ってな顔をして一緒に病院へ行きました。
 精密検査はマンモグラフィによるものだけでした。組織を採取して検査、なんていうことになると、ガンは明らかにかなり進んでいることになりますが、マンモグラフィによる撮影だけなので、ま、大丈夫か、というような心境でした。
 マンモグラフィというのは、乳ガンの早期発見を目的とした乳房専用のX線撮影です。乳房を透明な圧迫板で挟み、厚さ4、5cm延ばした状態で上下と斜め方向から計4回の撮影をします。この挟み込みが結構痛いらしいです。

2)二人とも口には出せず

 マンモグラフィは、医師の触診や自己チェックでは発見できないしこりや、石灰化のある小さな乳ガンの発見に適しています。しかし、厚い乳腺の陰に隠れた乳がんの発見は難しいようです。
 この撮影は、私が入院し、かついまも通っている病院で行ないました。しかし、この病院には婦人科はないので、どうやら写真の現像?映像化?は外部の専門機関へ外注?したようでした。その結果の診立てが聞けるのは1ヵ月後でした。この1ヵ月が夫婦にとっては嫌なもので、二人ともそのことは口には出さないけれど、以前のような自然な会話ができませんでした。
 結果を教えてもらいに行く日、当然、私も先生、家内と同席し、コンピューターのモニターを見ながら説明を受けました。幸運なことに、石灰化現象も見られず、画像をどう見てもガンの疑いはない、「異常なし」の結論を得ました。
 ホッとしましたよ。夫婦二人でガンなんて笑える話ではありませんからね。その晩は、二人がお気に入りの中華食堂で和やかな食事をしました。(2023年10月16日記)
【写真説明】
1)マンモグラフィによる撮影イメージ
2)本文と関係ありませんが、最近、庭で採れたミョウガです。肥料を施したり、敷き藁をしたりとか、家内がいろいろ手をかけていました。みそ汁の具はもちろんですが、炊き込みご飯が美味しかったです。
#前立腺ガン #乳ガン

3「肺ガンの初期です」「ええっ!」

 私はよく咳が出ます。とくに冬にはそうです。私自身は身体的に辛いことは何もないのですが、同席の人などからは、
「大丈夫ですか?」
とよく声を掛けられます。のど飴をくださった方もいます。ご心配いただいて有難くも、申し訳ないです。
 咳は出始めると、間欠的に10分ほど続き、気管を上がってきた痰がポッと出てしまえばそれでおしまいです。冬場は1日に何回かある時もあり、ぜんぜんない日が何日も続くこともあります。もちろん、痰に血が混じるようなことは通常ありませんが、何回か赤いものが混じり、ドキッとしたこともあります。
 母が肝臓ガンで旅立ったので、自分に肺ガンの恐れがないか、いつも心配でした。
 冬のある日、咳がちょっとひどかったので、前立腺ガンで入院した病院で診てもらいました。事前の痰の検査とレントゲンでの検査です。痰の検査結果が出たころ、レントゲンの検査結果と併せて、結果を聞きに病院へ行きました。担当医師がPCのモニターを見ながら言いました。
「驚かなくてもいいですが、ここに初期のガンがあります。隣の病院に肺ガンの専門医がいます。紹介状を書きますので詳しく診てもらってください」
なるほど、医師が指し示した部分にはそれらしき形状が出ていました。
 警戒はしてはいたものの、これには参りました。
「本当にガンかよ?」
 紹介状をもってその足で隣の病院の専門医を訪れました。問診を受け、レントゲン検査を受けました。確か、検査の日とその説明の日が1ヵ月近くありました。
 こんなことは家内にも都内に家族と居住している息子にも言えませんでした。悶々として何食わぬ顔で1ヵ月ほどを過ごしました。その間に、万が一のことを考えて、不要と思われる品々を廃棄したり、パソコンのデーターでも無用と思われるものは大幅に削除しました。
 検診結果は、何と「シロ」でした。
「何ともありませんよ。ご安心ください」
 肺ガンの専門医にそう言われました。
 となると、「初期のガンがある」と言ったあの医者は画像を読み違えたということではないか! ヤブ医者め!何の心の準備もない私に、いきなり「初期のガンがある」というなど無神経にもほどがあります。私は、その足で前の病院へ向かい、そう言ったヤブ医師を張り倒してやろうかと思いました。
 いまから10年くらい前の話です。(2023年10月17日記)

4 梅干し健康法

 今では、梅干しを常備している家庭は少ないようです。食事の洋食化に伴って梅干しのような自然の植物を健康の維持増進に取り入れる習慣が減少しつつあります。
 これに代わってサプリメント(健康補助食品)が広く出回ってきました。それらには、自然の薬草のエキスなども含まれているようですが、基本的には化学物質なので「昭和の青年」(私)には手を出しにくいです。
 能書きはともかく、私は自分のガンの治療を医師の指示で投薬や注射などで始めましたが、自分的には、科学的根拠もなく直感的に、梅干し、牛乳、そして煮干しを毎日摂取するように決めました(2023年1月10日、私のFBに記載)。
 過日、「余命1年」をクリアした記念に伊豆を家内とドライブの旅しました。その折、伊豆天城山のふもと、河津川の上流にある「河津七滝」(カワズナナダル)にも脚を運びました。
 地元農家が片手間でやっているようなショボイ土産店で、手工芸品や農産物加工品などを冷やかしているときに、家内が見つけたのが写真の梅干しでした。
 家内が販売員の中年婦人から「取材」したところによると、梅干しは自宅の梅の木からとれたもので、その婦人が自分で漬けたのだそうです。以前は彼女の義母が作っていたのですが他界したため、自分がその義母のやり方を見様見真似で作っているとの事でした。
 いかにも素人作りのようで愛着を感じ購入しました。

◆以下、梅干しの健康効用について調べた概要です。お時間のある方はどうぞ。
【梅干しを食べることで期待できる健康への効果】

1)疲労回復

 梅干しには、筋肉にたまった乳酸を分解する役割を担うアミノ酸であるクエン酸とリンゴ酸が豊富に含まれているそうです。
 筋肉痛などの疲労は体内に乳酸が蓄積されることによって生じるため、梅干しを食べて乳酸の分解を促すことは疲れた体を回復させるのに非常に良い方法とされています。

2)血行促進

 梅干しにはエネルギーの素となる糖も含まれており、これがクエン酸と結合することで、「ムメフラール」という成分が生成されます。
 また梅干しを加熱することでこの「ムメフラール」という血液の流動性を高める成分が生じるそうです。
 「ムメフラール」は血中コレステロールの減少に役立ち、さらに血流改善の効果も期待できる成分として注目されています。
 また、有機酸の1つであるピルビン酸には肝機能を改善させる効果があると言われているため、お酒の量が気になる方にも梅干しはおすすめです。定期的に食べることで、生活習慣病や動脈硬化などの病気を予防できるでしょう。
 そのため、加熱した梅干しには高血圧などの生活習慣病が原因で引き起こされる動脈硬化の予防や、女性に多い冷え性の改善に対して高い健康効果があると言われています。

3)カルシウムの吸収率が上がる

 カルシウムは体内での吸収率が低く、一般的な成人の場合は摂取した量の20~30%ほどしか小腸で吸収されないといわれています。そのような問題を解消するためには、カルシウムの吸収を助けるクエン酸を多く含んだ梅干しが良いそうです。

4)食欲増進

 梅干しの酸味には食欲を増進させる効果があるため、食欲が出ない時でも食事量を増やして豊富な栄養を摂取することが可能になります。梅干しは「疲れて食欲がわかない」「胃が重い」ときに最適な食材といえます。

5)整腸作用

 梅干しは植物性乳酸菌の宝庫です。植物性乳酸菌は良好な腸内環境を保つために必要な善玉菌のエサとなるため、梅干しを食べることは腸内環境の改善につながる効果があるとされているそうです。
 また、カテキン酸という悪玉菌を抑制する働きのあるアミノ酸も梅干しには含まれており、乳酸菌とカテキン酸の相乗効果によってより高い整腸効果が期待できます。

6)アンチエイジングや美容効果

 梅干しには、強い抗酸化力をもつ成分がたくさん含まれています。植物ポリフェノールの一種「梅リグナン」やカテキン酸などの有機酸には強い抗酸化力があります。
 老化現象は、体がさびることと、よく言われます。「さびる」とは酸化することです。その酸化の原因となる「活性酸素」は、シミやしわの原因になるほか、がんや生活習慣病の引き金になるともいわれています。梅干しのこれらの成分は、この活性酸素の働きを抑える効果が期待できるのです。
 さらに梅干しには、栄養素をエネルギー変換しやすくする作用をもつクエン酸が含まれている。ダイエット効果も期待できるため、女性にもおすすめの食べ物と言えるとのことです。

7)食中毒予防

 私ら「昭和の青年」には、昼の弁当には「日の丸弁当」といって梅干しが欠かせなかったです。梅干しに含まれているクエン酸やベンズアルデヒドには、食中毒の原因ともなる腸炎ビブリオ菌を殺菌する効果があるともいわれています。
 今では夏場に弁当を作った際に保冷剤を付ける人も増えてきていますが、弁当の中に梅干しを入れて、ダブルで食中毒予防ができます。

8)インフルエンザ・胃潰瘍・胃がん予防

 和歌山県立医科大学の研究により、世界で初めて発見された梅干し由来のポリフェノール「エポキシリオニレシノール」。この成分には、インフルエンザウイルスの増殖を抑制してくれる効果があるそうです。「梅干しを食べると風邪を引かない」という説は、ここから来ているのかもしれないですね。
 日本人の半数以上が感染しているといわれる、ヘリコバクターピロリ菌。
 これは胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんにも影響を及ぼすといわれる菌です。この働きを抑制する「シリンガレシノール」が、梅干しに含まれています。ほかにも、アルコール性の胃潰瘍の改善に効果があることも認められています。梅干しには、評判通りの健康効果があるようです。(2023年10月25日記)

 

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