今回は日ごろの家内の私に対する献身的な看病に感謝するため、伊豆は湯ヶ島温泉へ旅してきました。また、節分の豆まきでは思いっきり「ガンわー外」と叫びました。
本稿はシリーズ掲載で、前立腺ガンで闘病している方への情報提供とお励みの意味があります。
これまでに以下8本が出ています。
#1 えっ!?私がガン?毎年の健康診断は何だったのか!
#2 ガン撃退作戦開始!「スポーツ散歩」で血流促進、新陳代謝促進
#3 ガンの身で東京ー京都踏破!「スポーツ散歩」で血流促進
#4 歳かな?は要注意 ガンの早期発見
#5 末期ガン闘病1年「絶対に生残る!」強い執念と妻の献身的支援
#6 ガン治療で女性化体質と甘党食性への変化
#7 余命1年クリアして生還祈念旅行
#8 座して死を待たない「スポーツ散歩」、『ガンを叩き出した男』出版
【contents】
1 家内へ感謝の旅 『伊豆の踊子』が書かれた湯ヶ島の宿
「命拾い」という言葉を噛みしめる昨今です。
一昨年夏、第Ⅳフェーズ(末期)の前立腺ガン、余命1年、であることが発覚。全身へ転移していたので手術による患部除去は不可能。1ヵ月の集中治療の後、退院。以後、自宅にて投薬、通院注射、そして静養という生活になりました。
自分自身で「ガンなんぞは叩き出してやる!」と憤怒して頑張ろうとは思いましたが、何と言っても家内の献身的な身の回りの世話焼き(転倒防止、誤飲防止、交通事故防止等々)、スポーツ散歩への同行、外出・通院への同行、そして栄養管理と料理、これらなくしては今の私はあり得ません。本当に「命拾いした」と思っています。
幸いにして、退院当時からクルマの運転はできていたので、今回はこのような日ごろの彼女の献身的な看病にたいして感謝するために、伊豆は湯ヶ島温泉へ旅してきました。
以下、川端康成と宿の関係などの説明で長くなります。お時間のある時にどうぞ。
宿は、日本人初のノーベル文学賞を受賞した川端康成が『伊豆の踊子』を執筆した湯ヶ島の湯本館です。彼がこの宿を初めて訪れたのは一高入学の翌年1918(大正7)年の秋です。その時彼は旅芸人の一行と道連れになり、小説のモデルとなる幼い踊子・加藤たみ(松沢たみという説もある)と出会いました
康成はその旅から7年後に『伊豆の踊子』を書き、翌年1926(大正15)年に雑誌『文藝時代』に同作品を発表します。彼は学生時代に最初に同旅館を訪れて以来、毎年、1927(昭和2)年までの約10年間、同館を訪れ逗留しています。
1924(大正13)年に大学を卒業してからの3、4年は、滞在期間が半年あるいは1年以上に長引くこともあったそうです。同作品は湯本館で自分の部屋のように使っていた四畳半の部屋で書かれました。
ここに床を延べて寝、起きては執筆に勤しんだそうです。座ってみると何か落ち着いた気分になります【写真】。
それにしても宿の人の話によれば、康成は当時は大仁から山道を歩いて来たそうです。今でこそ伊豆半島には舗装した道路が縦横に走っており、大仁と湯ヶ島間は24km、クルマで50分ほどですが、当時は30km以上もこんもりとした坂道の足場の良くない森の中を歩いたことでしょう。5時間も6時間もかかったに相違ありません。
宿の前には狩野川の上流の清流が山間を縫って静かな音を立てて流れています。朝夕の食事時、2階の食堂からは宿を囲む山々や清流が見渡せます。
川淵には屋根もない野性的な露天風呂があり、10メートルほど離れた草履脱着場に室内用のスリッパがないときは誰も使っていないので、スリッパを脱いで貸し切り状態(5人分の脱衣かごあり)で使えます。家内と二人でゆっくりと湯あみをしました。
平日でもあったので、大浴場はいつも私一人しかいませんでした。
若年・壮年のころは壮健で強気な私でしたが、今では彼女のいない生活は考えられません。感謝感謝の毎日です。
翌日は、爪木崎の野水仙の群落地【写真】を訪れ、帰路はいつもの通り沼津港で評判の海鮮丼を味わいました。(2024.1.17. 記)
#前立腺ガン #末期ガン #伊豆の踊子 #川端康成 #湯ヶ島 #湯ヶ島湯本館
2 @相模原北公園
前立腺ガンで退院して、最初の頃はこの公園で歩きの練習をしました。
体重が14kgも減ったので、杖にすがり付くようにして歩きました。1年くらい前のことです。
懐かしくなって観梅に行ってきました。(2024.2.1.記)
#相模原北公園 #前立腺ガン #観梅
3 スポーツ散歩 オブステと数え歌
以下の「スポーツ散歩の数え歌」は、自分で毎日「スポーツ散歩」を実施中に考案したものです。自分の考えを整理するとともに、散歩を効果的にしたいと思っている方々への助言でもあります。
一つとせ、ホイ じいちゃん トボトボ 歩きは淋しいね
二つとせ、ウォーキング まずはアキレス腱のストレッチ
三つとせ、歩く前 尻筋 モモ筋 負荷をかけ
四つとせ、四股踏みで 腸腰筋の活性化
五つとせ、四股踏みは 滞空時間をより長く
六つとせ、内股筋 仕切り姿勢でよく伸ばし
七つとせ、ウォーキング 腕振り 大股 胸張って
八つとせ、ウォーキング 速足 並足 2分ずつ
九つとせ、登り階段 モモ水平より上に上げ
十とせ、 スッスッ、ハッハッの呼吸も大事
1)オブステ
現役時代は外資系の広告会社勤務の時代が比較的長かったです。そこで広告や販促、PRの企画書を書くときには「オブステ」という重要な概念がありました。
オブは objectives(目的)であり、ステは strategy(戦略)を指します。オブステは、広告や催事を企画するときに、〇〇雑誌に広告を出しましょうとか、街頭での商品の無料配布をしましょうかいった、オブステの下位概念の具体案をいきなり出すのではなく、その広告や催事は、何を目的としているのか、そしてその戦略(方法論)はどのようにするのか、といった基本骨格をまず考える方法論のひとつなのです。
自称「スポーツ散歩」は私が前立腺ガン罹患前から行っていて、ガンで退院した後も続け、退院後すでにカミさんとともに1,600㎞以上も踏破しています。それをオブステ概念で整理すると、以下のようになります。
2)目的
これは何と言っても、「体内の血流の促進」です。
若年者、後期高齢者を問わず、諸病の根源は血流の鈍化により、老廃物や病原菌が体内に滞留するからです。諸病とは肥満や成人病をはじめガンなどの重篤な病気も含みます。
そうした諸病に罹らないようにするには、体内の血液をガンガンに回し、老廃物や病原菌が体内に滞留しないようにする必要があります。
3)戦略
1.全身運動で身体に適度の負荷をかける。
2.全身運動を毎日するように習慣化する。
3.インナーマッスル、とくに腸腰筋を鍛える。
腸腰筋とは、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉の総称で、身体の背面の腰骨から太ももの骨(大腿骨)に付いている筋肉群のことです。これを鍛えることで
「姿勢を正しく保てる」
「内臓を正しい位置に保持できる」
などの効用があります。
また、腸腰筋は大きな筋肉群なのでこれを鍛えることでエネルギーの代謝効率が良くダイエットに効果があります。
4)具体案
以上のような「オブステ」の元に「スポーツ散歩」を考えつくのですが、当初から、このようなオブステがあったわけではありません。今している「スポーツ散歩」をオブステ的に整理すると以上のようになるという後付けの理屈です(笑)。(2024.2.2.記)
4 スポーツ散歩の数え歌
現在、毎朝、2月ではまだ暗い午前6時にクルマで家を出、スポーツ散歩の会場である神奈川県立相模原公園へ10分くらいで到着します。
現在の相模原の日の出は6時43分ですから、まだ島崎藤村です。あ、『夜明け前』です(笑)【写真】。いつも家内も一緒です。
毎日歩きながら心がけていることを「10の数え歌」としてまとめました。実施者の体力基準は「昭和の青年」の「後期高齢者」です。若い方はもっと負荷を高めたらいいでしょう。
以下は、数え歌の詳細説明です。
一つとせ;ホイ じいちゃん トボトボ 歩きは淋しいね
毎朝、公園には散歩をするじいちゃんやばあちゃんが、結構来ています。ほぼ半数の人たちは犬を連れています。犬友のグループもかなりいます。
犬連れはともかく、犬を連れていない老人たちは歩き方に元気がないです。とくにひとりでトボトボと歩いている老人は、淋しそうです。寒そうでもあります。
しかし何事も Better than nathing. (何事もしないよりはしたほうがいい)です。歩かないより歩いたほうが良いです。ただ歩くだけでもいいですが、もっと全身を使うような歩き方をして血流を促進する方が良いでしょう。
トボトボではなく、大手を振ってバクン、バクンと歩くようにしたらいいでしょう。
二つとせ;ウォーキング まずはアキレス腱ストレッチ
毎日、歩き始める前に準備運動をします。その最初が足のアキレス腱のストレッチングです。ギュッ、ギュッ、と力を入れるのではなくて、ギューッと30秒間伸ばしたままにするのです。左右とも行います。
三つとせ;歩く前 尻筋 モモ筋 負荷をかけ
これは、公園の柵に両手を軽くかけ、片脚は立膝、もう方脚は後ろへ伸ばします。腰を十分前に入れます。これで伸ばした脚側の腸腰筋が伸びます。以上が開始前の姿勢です。
次に立膝をしている方の脚だけで立ち上がり、後ろへ伸ばしていた脚は前に蹴上げるようにして、モモが胸につくように上げます。
これは太モモの4つの筋肉(大腿四頭筋)と尻の筋肉(大殿筋)に負荷をかけ、腸腰筋も使われます。左右各10回、計20回します。これだけで、身体が熱くなってきます。
四つとせ;四股踏みで 腸腰筋の活性化
四股踏みの効用は多々あります。腸腰筋は身体の中では大きなインナーマッスル(外から見ることができない、触れられない筋肉)です。正しい姿勢の維持やバランスの保持に欠かせない筋肉です。大きな筋肉なので、使うことで代謝率が高く、痩せやすい体質になります。
四股踏みはそういった効果を狙うには有効な方法です。相撲の稽古の基本に据えられています。正式な四股の踏み方は、youtube などをご参考にしてください。
五つとせ;四股踏みは滞空時間をより長く
四股踏みは、片足をあげてドスンと地に下ろすイメージがありますが、これは違います。片脚を上げたら、できるだけその滞空時間を長く保つのです。その間に腸腰筋が身体のバランスをとるように働いているのです。できれば5秒ほど滞空し、地にはストンと軽く落とす感じです。
四股踏みにより、腸腰筋ほか内臓も刺激され、腰痛などはどこへやら、ということになります。ダイエットにも効果があるということで女性にも人気の運動です。
六つとせ;内股筋 仕切り姿勢でよく伸ばし
四股を左右1回ずつ踏んだら、関取の仕切りのような蹲踞の姿勢をとります。
正しい蹲踞の姿勢をとると、骨盤の歪みをととのえるほか、股関節まわりの筋肉もひきしめるため、腰痛にも効果的だといわれています。
蹲踞の姿勢から、力士が仕切りをするように上体を前に傾け両手を前に出します。手は地に着けません。こうすると、身体の中心の内股周辺の筋肉がかなり伸びていることが分かります。これをした後では、四股踏みで片脚を上げた滞空時間の時、ふらつきません。こうして、四股踏みを私は20回しています。
年配者や初めての人は、最初から片脚を高く、また長い時間上げることは難しいので、30cm上げ位から始めたら良いでしょう。
以上がスポーツ散歩の準備体操で、毎日しています。
さて、歩き出します。
七つとせ;ウォーキング 腕振り 大股 胸張って
ウォーキングでの腕振りは、上半身、とくに肩回りの血行を促進しますので大切です。前後にできるだけ大きく、前振りでは手首が顔の前より上に来るほど、後ろにはこれ以上後ろに行かないほど振ります。歩幅は、できるだけ大きくバクン、バクンととります。
姿勢が前かがみにならないように、視線は前方で、仰角40度くらいを保ち、胸を張って歩きます。
八つとせ;ウォーキング 速足 並足 2分ずつ
これが私のスポーツ散歩の独特な点です。今までは全行程を同じ速さで歩いていました。数カ月前からは、そのように同じ負荷を掛けて歩くのではなく、例えば2分間は速足(全速力)で、次の2分間は並足(普通に歩く速さで)でという具合に、歩き方にメリハリを付けることにしました。
これは身体にかなりの負荷がかかり、冬でもジワッと汗ばんできます。
2分というのは「昭和の青年」(後期高齢者)の体力に合わせたものなので、お若い方は速足5分、並足1分のようにご自分で加減したらよろしいと思います。
時間は、スマホ・アプリなどで告知設定ができますが、そういう面倒なことが苦手の人は、コース上に目標物を決めて、この自販機から次の自販機までとか、電柱3本分、次の2本分とかを決めて歩くのも手です。
九つとせ;登り階段 モモ水平より上に上げ
普通、階段を登るときには太もも(大腿四頭筋)に力を入れて登ります。それは、それでもちろんよろしいですが、私は引き上げる足のモモが水平以上になるようにしています。これは、何回もご紹介している腸腰筋を活性化するためです。駅の階段や横断歩道橋などでもぜひそうしましょう。良い運動になります。
十とせ;スッスッ、ハッハッの呼吸も大事
とくに速足の時は、ジョギングをしているときのように、規則正しくスッスッ、ハッハッの定期的な呼吸が大切です。
スポーツ系のクルマにはターボチャージャー(過給機)というのが装着されています。これはガソリンと空気の混合気を限界量までシリンダーに供給して爆発させ、最大限の出力を引き出すためです。
スポーツ散歩での速足時の呼吸もこれと同じです。できるだけ多くの酸素を心臓へ繰り込み、それをヘモグロビンに乗せて身体の各部位へ効率よく送り込むためです。
◆以上、今ではガン撃退を目指して毎日行っている私のスポーツ散歩の説明でした。そのためか、食欲は旺盛で、体調はますます好調です。本稿が、ガン・サバイバー(闘病者)の方のお役に立てば幸甚です。
また、健康な方のより一層の健康体作りにお役に立てればと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。(2024.2.2.記)
#前立腺ガン #前立腺癌 #ウォーキング #散歩 #四股踏み
5 節分の豆まき
拙宅は昭和の少女と二人暮らしですが、節分の豆まきをしました。
「鬼わー外」の時は、戸を全開し近所じゅうに聞こえる大声でしました。「鬼わー外」ではなく「ガンわー外」にしましたが
(笑)。
それにしても最近では近所の家からは「鬼わー外、福わー内」の声が聞こえません。私らが子供のころは、あちこちの家庭からその声が、こだまの様にたくさん聞こえたものですが。
今時の若い家庭では、こうした日本の風習さえ忘れて、柊鰯(ヒイラギイワシ)なんぞ思いもつかず、ハンバーグとかモンブランとかを食べているんでしょうな。(2024.2.5.記)